北海道で海の仕事に携わられ、船の名に「龍」を掲げるほど龍神様を篤く信仰されているご依頼主様。そのお心に導かれるように生まれたのが、この「龍神様のご加護」です。ご依頼を頂戴してからは、漁の安全と大漁、そしてご家族・ご事業のいっそうのご繁栄を祈願し、海と水を司る神様として古来より篤く信仰されてきた龍神様を、一筆一筆、心を込めて描かせていただきました。
祈りを込めて ― 貴船の水と、北の海の龍
ご依頼主様が毎年、水の神をお祀りする貴船神社へ参拝されているとお伺いし、清らかな水の神霊と、北の海を護る龍神様の力強さとが響き合いますようにと願いながら筆を運びました。描き進めるうちに、不思議と導かれるように形が浮かんでくる瞬間が幾度もあり、これは私一人の手で描いた絵ではなく、目に見えぬ大いなるお力添えのもとに生まれた一枚であると、深く感じております。
右へ、そして左回りへ ― 発展と拡大の祈り
私の作品には、右を向いた構図が多くあります。「右肩上がり」に通じる縁起を担ぐとともに、龍神様の姿を右へ、そして左回りへと巡らせています。スピリチュアルの世界では、左回りは発展と拡大を、右回りは収縮を意味するといわれます。ご依頼主様の事業がどこまでも伸びゆきますようにとの願いを、龍神様のうねりそのものに託しました。この構図は、迷いも苦労もなく、自然と手が動いて生まれたものでした。
緑と黄金 ― 導かれた色
色もまた、直感のままに緑と黄金が浮かんできました。事前に調べたわけではなかったのですが、のちにご依頼主様が信仰される神社にゆかりの深い色が、まさにその緑であったと知り、静かな驚きに包まれました。理屈ではなく、描くべくして描かされた色だったのだと思います。
宝珠を抱く龍 ― 富と幸を運ぶ
龍神様が抱く宝珠(ほうじゅ)は、古くから金運や吉きものを運ぶ象徴とされてきました。豊かさと幸いをその手にしっかりと抱く龍神様の姿に、ご依頼主様のもとへ次々と福が集まりますようにとの願いを込めています。実際に本作をお納めした頃、漁に恵みが訪れ始めたとお聞きし、たいへん喜んでいただけたことを、今も忘れられません。
ありがとうのサイマティクス ― すべては感謝から
本作にも、そっと「ありがとう」のサイマティクスを重ねています。サイマティクスとは、音の周波数が描き出す波紋の文様のこと。私がこれから制作の中心に据えていくモチーフでもあります。ここに込めたのは、生きていることそのものへの感謝です。日々の恵み、巡り会うご縁、そのすべては感謝でできている――そんな想いを、目には見えぬ波紋のかたちに託して忍ばせました。龍神様のお力と、感謝の波動とが、この一枚の中で静かに響き合っていますようにと願っています。
この一枚が指し示したもの
絵を通じて生まれるご縁、そして受け取ってくださった方の笑顔。この作品は、私が本格的に作家として独立し、直感から得たイメージを迷いなく形にしていく――その方向性を決定づけてくれた、かけがえのない一枚となりました。どうか末永く大切にしていただけますようにと願うとともに、ご依頼主様のますますのご発展と大漁を、心よりお祈り申し上げます。
絵画作家 光日子(こひこ)